このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

中学校の卒業論文

中3の娘の学校には「卒業論文」という制度がある。中高一貫校で、高校受験が無いため、通過儀礼的な意味合いで導入された制度なのではないかと思う。昨年の夏ごろ、テーマの検討が始まって、先日最終原稿を提出したようだ。私は、よい制度だと思っている。とかく、進学実績で評価されがちな私立の中高一貫校にあって、受験の役にはあまりたちそうにない論文制度を続けるのは、それなりに理念があるからではないだろうか。受験に向けて、ひたすらに「与えられた問題を解く能力」だけが評価される中にあって、「問題を見つける」ことに時間と努力を費やすことは、意味のあることだと思う。

だから、テーマを探す段階では、極力余計なことを言わないように気をつけた。案の定、慣れない課題に苦心している様子だったが、「例えば○○なんてどう?」というのは禁句だと自分に言い聞かせて、テーマ探しを見守った。やっとのことで決まったテーマを聞いたときは、ちょっと複雑な心境だった。理系の私としては、あまりサポートできそうも無いテーマだったのだ。テーマさえ自分で決めたら、調査・研究のプロセスでは手伝ってあげよう、と思っていたのだが、そうもいかないかも、と。それでも、多少は相談に乗ったり、グラフを書くのを手伝ったりしながら、論文の進捗を見守った。

最終的にできた論文は、なかなか面白い内容になったと思う。紆余曲折はあったけれど、最初に立てた問いに対して、ひとつの結論に到達している。苦労してこの論文を仕上げたことは、貴重な経験として残るに違いない。