エスカレーターのマナー

エスカレーターでは、左側に立って右側は歩く人のために空ける（関東の場合）のがマナーになっています。ラッシュ時の駅などでは、急いでいる人のために片側を空けるのは、それなりに合理的なルールのように思えます。ところが、ショッピングセンターなどでは、エスカレーター待ちの長蛇の列が左側にできているのに、右側は空いているだけでだれも通っていない、という光景をよく見かけます。右側にも立って２列になれば、長い待ち行列を作る必要も無く、みんな早く移動できてハッピーなはずですが、そのような合理的な行動はまず見られません。理由は、たぶん多くの人には明らかで、右に立つのがイヤなのです。もし、左に長蛇の列ができている状態で右側に立ったら、後ろから歩いて登って（あるいは下って）くる人がいないか、気が気ではありません。自分の後ろでつっかえた人が、「ちっ」とか舌打ちしたり、あからさまに「じゃまだ、どけよ」的な態度をしめしたりするのではないかと。別に、右側に立ってはいけないという明文化されたルールがあるわけではなく、場所によっては「エスカレーターでは２列に並んで」という看板さえ立っているのですが、それでも右側に立っている人は「掟破り」のようにみなされてしまいます。これって、日本人気質なのではないでしょうか。マナーが良い、という受け止め方もあるかもしれませんが、合理性よりも掟が重視されるのは、不健康な文化だと私には思えます。