なぜ「核ミサイル」は「各ミサイル」になったのか?
日本語のアクセントというのは不思議な存在で、国語辞典には書いてありません。東京方言(いわゆる標準語)と関西方言ではアクセントは全然違いますが、どちらも日本語には違いありませんし、どちらでもたいていは通じます。その意味では、辞書に明記してある英語のアクセントとはちょっと違うもののようです。とは言え、テレビのニュースなどではもっぱら東京方言のアクセントでアナウンサーは喋っています。では、正しいアクセントの拠り所は何かというと、NHKが出版しているアクセント辞典が使われているようです。18年ぶりに改定されて、NHK日本語アクセント新辞典として昨年出版されました。そこで改定されたからかどうかは確認していませんが、最近NHKのニュースを聞いていて気になるのが「核ミサイル」のアクセントです。北朝鮮がらみのニュースで多用されるのですが、これが「各ミサイル」に聞こえてしかたがありません。日本語のアクセントは、おおよそひらがなの文字単位(「きゃ」などの拗音や、撥音「ん」、促音「っ」、長音「ー」も一つの単位)での高低で表されます。NHKニュースでの「核ミサイル」はこんな感じです。
か | さ | ||
くみ | いる |
これだと、私には「各ミサイル」に聞こえてしまいます。おそらく以前は、
くみさ | ||
か | いる |
というアクセントで話されていたはずです。これが、アクセント辞典改定の結果だとすると、なぜこんな紛らわしいアクセントにしたのか、理解に苦しみます。