このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

極寒のソウル観光旅行

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 2月の2日から4日まで、2泊3日でソウルに家族と行ってきた。極寒だった。地元の人にとっては日常だし、日本でも北海道あたりは同じぐらい寒いところもあるのだろう。だが、最高マイナス5度、最低マイナス12度というのは、横浜に住む自分にとっては異次元の寒さに違いない。日程を決めてツアーを予約したのは昨年の11月ぐらいだっただろうか。家族の予定をすり合わせると、他に選択肢はなさそうだった。ガイドブックを見て東京より寒いことは分かっていたけれど、ここまで寒いとは、そのときは意識していなかった。今年は日本もいつもより気温が低いので、ガイドブックのグラフよりはソウルも冷えていたと思う。出かける直前になって慌てて買い集めたヒートテックなどを着こみ、カイロを貼り、マフラーをぐるぐる巻いた上にダウンを着込んで、やっと観光ができるようになった。それでも、写真を撮るため手袋を脱いでスマホを操作すると、たちまち手が凍えた。スマホのバッテリー表示は突然3%を指した。低温のため誤動作したようだ。でも、3日間とも天気は快晴だった。それは良かった。

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 出発の4日前の月曜日、かなり喉が痛かった。赤く腫れていた。嫌な感じだった。火曜日。咳がひどくなった。職場でも体調不良の休暇が多くなっていた。ツアーのキャンセル料は、この日までが20%、明日になったら50%だった。同行する家族は、サムギョプサル(豚バラの焼き肉)の話で盛り上がっていた。水曜日。鼻水が止まらなくなった。怖いので熱は測らなかった。そして出発前日の木曜日・・・治った!奇跡的に症状が消え、体調が戻ってきた。良かった。インフルでキャンセルなんてなろうものなら、未来永劫話のタネにされるところだった。かくして、極寒にも関わらず概ね良好な体調で、ソウルでの3日間を過ごすことができた。そして、帰国した翌日の朝5時に、激しい下痢と吐き気に襲われ飛び起きて、トイレに駆け込んだ。ノロウィルスによる胃腸炎との診断だった。「牡蠣食べた?」と聞かれ「2月3日に食べました」と答えると、「ピッタリ合うなぁ」だって。2日寝込んで復活した。浮き沈みの激しい1周間だった。

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 極寒で良いこともある。オフシーズンだからツアーの代金が安い。一人約35000円。3人でも10万円ちょっと。これで飛行機往復とホテル2泊。ホテルはスカイパークキングスタウン東大門(トンデムン)。ガイドブックにも載っていないし、あまり期待はしていなかった。商業ビルの上層階がホテルになっていて、フロントは14階だった。チェックインで思いがけず「ファミリールームにアップグレードしておきました」とのこと。ダブルベッド1つとシングル2つ、ミニキッチンとカウンターがついた豪華な部屋だった。バスタブのあるバスルームとは別にシャワールームが付いている。清潔できれいな部屋だった。これも極寒のおかげだろう。観光スポットも飲食店もあまり混んでおらず、待たずに楽しめた。

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 韓流アイドルのファンの娘と妻はいろいろ目的があったようだ。私はと言えば、お隣の国なのに行ったことが無いので、とにかく一度見てみよう、というのが目的と言えばそうだった。あとは美味しいものを食べること。2日目の夕食は、せっかくだから本場のサムギョプサルを食べようということになった。厚いステーキのような肉が運ばれてきたかと思うと、すぐに店員さんが網の上いっぱいにお肉を並べて焼き始め、焼けてくるとハサミでチョキチョキと切り分けた。あとは自分でひっくり返せと言う。やがて、次々と食べごろに焼きあがるので、どんどん食べる。焼き肉は待ってくれない。網が空くとまた店員さんが来てすかさず残りの肉を網に上げる。美味しいけれどせわしない。ビールを飲んだらマッコリにしようと思っていたが、ビールが空くころには、お肉もあらかた食べ終わってしまった。そんなに混んでいた訳でもないし、もっとゆっくり食べさせてくれればお酒も売れると思うのだが。

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  最終日の朝はソルロンタンをいただいた。日本で見たことが無く、食べてみるまでどんな料理か全然知らなかった。白濁したスープが濃厚に見えて、実は塩気が全くないのに驚いた。自分で塩コショウして味付けするのだそうだ。この量のスープにどれだけ塩が必要か見当がつかない。かたわらの壺から塩の結晶をスプーンですくって投入し、味見をしてはまた入れて、やっと味が整ってきた。牛コツのスープは意外とあっさりしていてやさしいお味。温まるし朝食にも良い感じ。セットのご飯と一緒に完食した。不思議だったのは、この店が24時間営業ということ。日本のファミレスならわかるけれど、この店は老舗の専門店といった感じで、夜中にどんな人が食べに来るのか想像できない。となりのテーブルで従業員がまかないを食べていたのも、日本では見られない風景だった。