このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

クジラが大きいのは食べすぎたから?

 NHKの「チコちゃんに叱られる」という番組を最近よく目にします。

 見るともなしに見ていると、「どうしてクジラは大きいの?」という話題をやっていました。その答えが「食べ過ぎたから」というものでした。えっ?「食べ過ぎたから大きくなった」ということは、食べ過ぎて大きくなった体が子供に遺伝したということでしょうか?

 昔々、「後形質(獲得形質)は遺伝しない」と習ったはずなのですが。確かに、Webでちょっと調べてみると、獲得形質が遺伝する事例が報告されていることがわかりました。とは言え、この番組で説明されているのは、「動物性プランクトンが大発生して餌が豊富だった」「ヒゲを使って大量に餌を食べることができた」という話と、「餌場の冷たい海と子育てする温かい海を行き来するには大きな体が有利」という話だけです。獲得形質が遺伝したから、という説明はありませんでした。そうだとすると、この話は、突然変異で大きな体になったとき、豊富な餌で巨体を維持できて、それが有利な環境があったために生き延びた、というのが適切ではないでしょうか?

 同じ番組の「なぜタンスの足に小指をぶつけるの?」という話題でも、ちょっと違和感を感じました。ゲストが「自分のボディの大きさがわからないから」と答えたが不正解で、「ボーっと生きてんじゃねえよ!」というお決まりの罵声を浴びせられていました。正解は、「自分が思っているより1cm外側を歩いているから」でした。その根拠として示された実験は、足元が見えない状態で、地面に縦に引かれた線ギリギリに足の小指を置くようにすると、線を踏み越してしまう、というものでした。でもこれだけだと、思ったより「外」に足があるのか、思ったより足が「大きい」のか、区別がつきません。親指側でも同じ実験をして、今度は隙間が空くのであれば、「外」と言えるかもしれませんが、そのような実験結果は示されませんでした。もちろん、研究結果に基づいて正解としているのでしょうから、「外」なのかもしれませんが、「大きさがわからない」というのもそれほど的外れな答えでは無かったと思うのです。

 バラエティ番組なんてそんなもの、と言ってしまえばそれまでですが、「雑」な作りという印象が否めません。科学的な話題を取り扱うのであれば、もう少し丁寧に作って欲しいと思うのです。