このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

ケンブリッジのパブでビールを飲む

 およそ5年ぶりにイギリスのケンブリッジに行ってきました。仕事です。5年も経てば見違えてしまうような街も世界には沢山あるでしょうが、ヨーロッパの古い街はそう簡単には変わらないようです。キングスカレッジなど、街のあちこちに「カレッジ」と呼ばれるケンブリッジ大学のキャンパスが点在し、それぞれに個性や趣のある建物や庭が、観光スポットにもなっています。本当に古い建物と、新しいけと古っぽく作った建物が良く調和していて、さながらハリーポッターの世界のようです。聞けば、建築の規制は厳しいようで、屋根の形から壁の色まで、色々と決まりがあるそうです。そうやって景観を保っているのでしょう。

f:id:takekago:20180523231019j:plain f:id:takekago:20180523231420j:plain f:id:takekago:20180523231258j:plain

 お楽しみはパブで飲むビールです。初めて来てパブに入ったときは、店に入っても案内されるでもなく、席についてもメニューを持ってくるでもなく、勝手がわからずとまどいました。店によってはオーダーとりに来てくれるところもありますが、基本はカウンターまで行って、その辺にあるメニューを見ながらオーダーして支払いもしてしまいます。ビールはカウンターで受け取って、料理は席まで持ってきてくれます。慣れてしまえば気軽に、気楽にビールが楽しめます。

 イギリスのビールと言えば、やはり色の濃いエール系を飲まないと。エール、ペールエール、インディアペールエールなど、何が違うのか良く分かりませんが、色々種類があります。いわゆる黒ビール(スタウト)もありますがそれともまた違います。中でも、IPAと省略して呼ばれるインディアペールエールがお気に入りです。何というか、香りが良いです。

 ビールを注文すると、何も言わなければ1パイントのグラスで出てきます。日本のロング缶よりちょっと多いぐらいの量です。ビールの銘柄に合わせて専用のグラスが使われることが多いようです。丸く膨らんだグラスや、ラッパ状の高さのあるグラスなど、グラスにも個性がありますが、手のついたジョッキはみたことがありません。1パイントは多すぎるというときは、「ハーフパイント」と言えば半量のグラスに注いでくれます。ハーフパイントのグラスは共通のようで、文字などもなくシンプルでした。

 大抵の場合、泡は少なめで、ビールの液体をほぼグラスいっぱいに注いでくれます。日本では泡もビールのうちとばかり、7:3がいいとか言って泡もありがたがるのですが、イギリスの人は泡はいらないようです。よく、イギリスのエールはぬるいとか言いますが、本当です。と言っても、室温というわけではなく、冷えてるけどキンキンというわけではない、というレベルです。でもそれがそのビールに合っているような気もします。美味しいです。

 日本でも、昨今のクラフトビールブームで、エールやIPAなどをスーパーでも見かけるようになりました。それでも、大手のビールのほとんどは淡色のラガーやピルスナー系のビールです。以前、地ビールメーカーの話として、大手と違うエールが売れるかと思ったら、ピルスナーが人気だったという話を聞きました。やはり、日本人の多くは慣れ親しんだピルスナーを好むのでしょう。食は文化ですから。そう簡単に好みは変わりません。でも、赤ワインだってこんなに普及したのですから、そのうち大手ビールメーカーがIPAを売り出してくれるかもしれません。期待しましょう。

f:id:takekago:20180523231704j:plain