このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

お父さんの趣味としてのパン作り

時間があるときにパンを焼くようになってから25年ほどになる。途中しばらくお休みしたこともあったが、細々と続いて、最近はまた毎週のようにパンを焼くようになった。なぜこんなに長く続いているのだろうか。

 

元々手作りするのは好きで、結婚してからは日曜大工で家具をいろいろ作った。パンの他は、燻製や手打ちそば、手打ちパスタ、家庭菜園など様々に手を出した。その中でパン作りだけが続いている理由を考えてみた。

  1. パンを作るのは楽しい
  2. 道具も材料もシンプルであまりお金がかからない
  3. パンが食べられる

キャリア25年なんて言うと、パン屋のようなパンが作れると思うかもしれないが、そんなことはない。そんなに甘くはない。ふっくらしたキツネ色のパンが焼きあがったり、クープ(ナイフで入れる切れ目)がバリバリと大きく開いたりしたときは嬉しいし、そうでなかったときは悲しい。だからこそ、パン作りは楽しい。材料も温度も工程も完璧に管理すれば、毎回すばらしいパンが焼けるのかもしれないが、そんなことは望むべくもない。パン屋ではないのだ。水温を下げよう、強めにこねよう、発酵時間を長めにしよう、などと試行錯誤しながら、一生懸命生地をこね、発酵させ、成形し、最後にオーブンに投入してから焼きあがるまで、期待しながら見守るのがよいのだ。パン作りは奥が深い。作るのが楽しいから、作りたいから作るのだ。

 

趣味として続けるならば、コストは重要な要素だ。だれもが毎週ゴルフに通えるわけではないのだ。その点パン作りはハードルが低い。必需品の中で値が張るのはオーブンだが、今時たいていの家庭ではオーブンレンジが導入されているのではなかろうか。それで十分だ。そのほかは、ボウルなど台所にありそうなものか、買っても千円前後の安い道具ばかりだ。材料も、よっぽど凝らない限り、1回の費用は数百円レベルだろう。オーブンさえあれば初期費用は低額だ。万一続かなくても傷は浅い。

 

日曜大工でかなりたくさんの家具を作ったが、最近はほとんどやらなくなった。なぜか。作るものが無いのだ。その点パンはいい。食べられるからだ。毎週焼いても、家がパンでいっぱいになることはない。食べればいいのだから。私の基準は「美味しく食べられたら成功」で、その意味で失敗したことはほとんどない。焼きたてはもちろんうまいし、冷凍しておいて朝食にトーストして食べるのもまたよい。でも、パン屋のパンと比べてはいけない。時給××円で換算するとこのパン1個の値段は...などとはゆめゆめ考えてはいけない。あくまでも、作るのが目的で、食べるのはオマケぐらいに考えた方が長続きすると思う。

 

逆に、パン作りの難点は何かというと、これはやはり「時間がかかる」ということだろう。慣れれば手間はそれほどでもないが、短くて2時間、長ければ5時間程度かかり、冷蔵庫で発酵させるようなレシピでは2日にわたることもある。待ち時間が長いのだ。それでも、1日がかりのゴルフなどと比べれば短いし、待ち時間はテレビを見たり本を読んだりもできる。

 

ということで、世のお父さんたちの趣味として、パン作りはもっと広がってもいいと思うのだが。

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