このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

幸せな味覚の持ち主とは

同じものを食べても「美味しい」という人もいれば「不味い」という人もいます。味覚は人それぞれで違っているということは経験的に分かりますが、ではどんな味覚の持ち主が一番幸せなのか、という疑問を持っていました。好き嫌いの問題もあるので、味覚を類型化すること自体がかなり難しい問題だとは思います。非常に単純化して、美味しさを表す一次元の尺度(「不味い」⇔「美味い」)で味覚を表現します。さらに、とても乱暴な話ですが、仮に「美味しさの絶対尺度」のようなものがあると仮定します。これは、神様の決めた尺度と考えてもいいし、全世界の人の評価の平均と考えてもいいと思います。とにかく、あらゆる料理、食べものは、この尺度の下に美味しさの値が付与され、一列に並べられる、というものです。そうすると、個人の味覚は、「美味しさの絶対尺度」から「個人が感じる美味しさの主観的尺度」への関数で表現されます。「絶対尺度」をx、「主観的尺度」をyとすると、おおまかに以下の3つのパターンがあるように思います。

Aは、何を食べても美味しい、という人達です。C は、本当に美味しいもの以外は不味い、というグルメな人達です。間のBは、美味いものは美味い、不味いものは不味い、という人達ということです。これだけ見ると、何でも美味しく食べられるAの人が幸せそうに思えます。でも、関数の傾向はこのとおりだとしても、これらのグラフを重ねてみると、以下のようになりそうです。

つまり、Aの人達は、何を食べてもそこそこ美味しいけれど、本当の美味しさが分からず、違いが感じられません。逆に、グルメなCの人達は、本当に美味しいものはとても美味しく感じられ、かつ微妙な美味しさの違いがよく分かります。こう考えると、食べているものの「美味しさの絶対尺度」がどの程度かによっても、幸せな味覚のパターンは変わってくることになります。

夕食の話題でこの話をしていて、娘と私の結論は、やっぱりBがいいね、ということでした。