このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

パン作りに最低限必要な道具

これからパンの手作りを始めようと思ったら、最低限必要な道具はなんだろうか。結論から言うと、次の3つだと思う。

  • オーブン
  • ボウル

 

最大の問題はオーブンだ。既に持っていればそれを使えばよろしい。どんなオーブンでも使えないことはない。もし、パンが焼けなかったら、それはオーブンではない。オーブンレンジは「オーブン+電子レンジ」なので使えるが、電子レンジのみだともちろんパンは焼けない。さらに念の為言うと、オーブントースターは「オーブン+トースター」ではない。それでトーストは焼けるがパンは焼けない。別物なのだ。

 

残念ながらオーブンは持っていないという場合は投資が必要だ。オーブンのスペックで、パン作りへの影響が大きいのは、庫内の大きさと天板2段で焼けるかどうか、だろう。どちらも1回で焼けるパンの量に関わる。天板にならぶ個数しか焼けないので、1回で焼ける天板の大きさと枚数によって、作れる分量が制約を受ける。2回に分けて焼く方法もあろうが、待っている間にも生地の発酵が刻々と進むので、初心者には難しいような気がする。小さなオーブンでも、食パンのような型に入れるパンや、ちぎりパンのようにくっついてもよい(というかくっつけて焼く)パンならば、そこそこの量が焼ける。ただし、小さなオーブンで山型食パンを焼くと、天井に頭がくっつく場合があるのでご注意を。もちろん庫内が大きい方が値段は高いし、2段で焼けるコンベクションオーブンも高めになる。予算と相談して決めればよい。メーカーによっても焼きムラの具合とか違いはあると思うが、比べたことはないので良くわからない。自分で使っているのは東芝の「石窯ドーム」で、特に不満は無い。

 

オーブンに比べれば、秤など安いものだ。1g単位で1kgまで量れるデジタルの秤を使っているが、特に問題はない。0.1g単位が欲しい場合もあるが、四捨五入しても大丈夫だ。ボウルごと生地の重さを量りたいときは1kgを超えることがあるので、2kg程度まで量れるともっとよい。検索してみると、0.1g単位で3kgまで量れるものが千円前後で売られているので驚く。メーカーに同情したくなる。これでは儲からない。

 

ボウルに至っては、普通キッチンに1つや2つはあると思うし、100円ショップでも購入できる。直径25cm、深さ13cmのちょっと大ぶりなボウルをパン作り用に愛用している。浅いボウルだと、勢い余って粉が飛び散ってしまうことがあるので、ちょっと深めのボウルを1つぐらい買ってもバチはあたらないはず。

 

その他、道具ではないが、パンをこねる場所の確保が必要だろう。流し台の作業スペースが使えれば問題はない。できれば50cm、最低でも40cm四方ぐらいのスペースは確保したい。以前、狭いアパートに住んでいたときは流し台では確保できず、ダイニングのテーブルでこねていた。普通の木のテーブルだ。衛生面が気になる人はアルコールで消毒するなどすればベターだが、ふきんできれいに拭いただけでも問題ないと思う。テーブルでジカにこねるのは抵抗があるという人は、パンをこねるための板が売られているのでそれを使うといいかもしれない。自分では使ったことが無いのでよくわからないが、それなりの厚みや重みが無いと、力をこめてこねたときに動いてしまって使いにくいと思う。

 

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パンをいつ作るか

パン作りにトライするならいつがいいか、という話ではない。その話なら、「今でしょ」ということになる。思い立ったが吉日だ。すぐ始めよう。

 

そうではなく、1周間、1日というスパンの中で何時(いつ)作るか、という話だ。フルタイムで働いているなら、日曜祝日、週休2日なら土曜日も、ということになる。ウィークデーに作るのも不可能ではないがおすすめしない。

 

1日の中で何時ごろ作るのがいいのか、という話になると、考慮すべきことが2つある。一つは、いつ食べるか、ということだ。焼きたてを食べたいなら、食べる時間に合わせて焼き上げる必要がある。朝食に手作り焼きたてパンを食べるのは無謀だ。パン屋のおじさんよろしく朝一番早く起きだして、暗いうちからパンをこねたりしたら近所迷惑になる。パン焼き器を買うしかない。焼きたてを食べたいなら昼食か夕食ということになる。休日の朝ゆっくり起きて朝食を食べると9時ぐらいになっているかもしれない。でも大丈夫。ベーグルなら2時間程度で出来上がるので、それから作り始めても昼食に焼きたてベーグルのサンドイッチを食べることができる。夕食で食べるなら、3〜4時間で焼きあがるパンはたくさんあるので、午後にとりかかれば十分間に合う。

 

では、焼きたてにこだわらない場合はどうか。私は実は焼きたてで食べることはあまりなく、冷凍してしまうことが多い。1個で1食分のサイズで作るか、大きなパンなら1食分にカットして冷凍しておけば、焼きたてとあまり変わらず、食べたいときにおいしく食べられる。朝食でも。パン焼き器は買わなくていいのだ。その場合でも、考慮すべきことが一つある。それは、食事の準備との兼ね合いだ。もし、自分で食事の準備をするなら問題はない。自分でうまくスケジューリングすればいい。そうではなく、パートナーがもっぱら食事の準備をしている場合は注意が必要だ。言うまでもなく、パン作りはキッチンを使う。発酵でオーブンを長時間占拠することもある。また、パン作りは時間の融通が効かない。夕食のために鶏肉をレンジで解凍したくても、発酵が終わったら直ちにオーブンを温めて焼かなければならないのだ。趣味として続けていくためには、パートナーの不評を買うのは危険だ。避けねばならない。

 

ということで、慣れないうちは、休日の午後の早い時間に作り始めることをおすすめする。焼きたてにこだわるあまり、夕食の直前に焼き上げようとするのはやめたほうがいい。

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初めてパンを焼くなら

「初めてパンを焼いてみようと思うけどおすすめは何?」と聞かれたらどう答えよう。

 

フランスパンの類は避けたほうがいいだろう。上手に焼けたらかっこいいことこの上ないが、そんな簡単なものではない。あれは上級者向けだ。時間がかかるし、加水率の高いレシピが多い。加水率というのは小麦粉に対する水の割合で、70%を超えるようなレシピは、生地がかなりベトベトになってこねにくい。途方に暮れること請け合いだ。初めて焼くなら加水率は66%までにしておいた方が気持よくこねることができておすすめだ。

 

では、菓子パンはどうだろう。日本が誇るアンパン、皮がカリカリのメロンパン、チョコがたっぷり詰まったコロネ…実に魅力的だ。子供受けもいい。だがちょっと待て、菓子パンは材料も多く、工程も複雑だ。1個が小さいので、成形の手間もかかるし、かっこ良く仕上げるには慣れが必要だ。餡を自作せず購入しておくならアンパンはギリギリありかもしれないが、他はやめておいた方がいい。できるだけ工程がシンプルなパンを選ぶべきだ。

 

機械でも作れるぐらいだから食パンが簡単では…なんて戯言は厳禁だ。ホームベーカリーは優秀なのだ。初めて焼いてホームベーカリーのように焼けるなんて思ってはいけない。食パンは難しいパンなのだ。それに、食パンを焼くには型が必要だ。初めてなのにパン型に投資するのはリスクが高い。

 

入門書には、よくバターロールパンが掲載されているイメージがある。確かにバターロールはいいかもしれない。でも、ぐるぐると綺麗に巻かれて、コロンと丸いあの形を作るのは意外と難しい。初めてやると、巻きが大雑把で細長い形になりがちだ。そうなったら塩をふって塩バターロールだと言い張るという手も無くはないが、あまりおすすめはできない。

 

ということで、私のおすすめはコッペパンだ。材料も工程も比較的シンプルだし、成形も容易だ。そのままむしゃむしゃ食べるもよし、半分に切ってジャム&マーガリンもよし、ソーセージを挟んでホットドックもいける。お試しあれ。

 

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お父さんの趣味としてのパン作り

時間があるときにパンを焼くようになってから25年ほどになる。途中しばらくお休みしたこともあったが、細々と続いて、最近はまた毎週のようにパンを焼くようになった。なぜこんなに長く続いているのだろうか。

 

元々手作りするのは好きで、結婚してからは日曜大工で家具をいろいろ作った。パンの他は、燻製や手打ちそば、手打ちパスタ、家庭菜園など様々に手を出した。その中でパン作りだけが続いている理由を考えてみた。

  1. パンを作るのは楽しい
  2. 道具も材料もシンプルであまりお金がかからない
  3. パンが食べられる

キャリア25年なんて言うと、パン屋のようなパンが作れると思うかもしれないが、そんなことはない。そんなに甘くはない。ふっくらしたキツネ色のパンが焼きあがったり、クープ(ナイフで入れる切れ目)がバリバリと大きく開いたりしたときは嬉しいし、そうでなかったときは悲しい。だからこそ、パン作りは楽しい。材料も温度も工程も完璧に管理すれば、毎回すばらしいパンが焼けるのかもしれないが、そんなことは望むべくもない。パン屋ではないのだ。水温を下げよう、強めにこねよう、発酵時間を長めにしよう、などと試行錯誤しながら、一生懸命生地をこね、発酵させ、成形し、最後にオーブンに投入してから焼きあがるまで、期待しながら見守るのがよいのだ。パン作りは奥が深い。作るのが楽しいから、作りたいから作るのだ。

 

趣味として続けるならば、コストは重要な要素だ。だれもが毎週ゴルフに通えるわけではないのだ。その点パン作りはハードルが低い。必需品の中で値が張るのはオーブンだが、今時たいていの家庭ではオーブンレンジが導入されているのではなかろうか。それで十分だ。そのほかは、ボウルなど台所にありそうなものか、買っても千円前後の安い道具ばかりだ。材料も、よっぽど凝らない限り、1回の費用は数百円レベルだろう。オーブンさえあれば初期費用は低額だ。万一続かなくても傷は浅い。

 

日曜大工でかなりたくさんの家具を作ったが、最近はほとんどやらなくなった。なぜか。作るものが無いのだ。その点パンはいい。食べられるからだ。毎週焼いても、家がパンでいっぱいになることはない。食べればいいのだから。私の基準は「美味しく食べられたら成功」で、その意味で失敗したことはほとんどない。焼きたてはもちろんうまいし、冷凍しておいて朝食にトーストして食べるのもまたよい。でも、パン屋のパンと比べてはいけない。時給××円で換算するとこのパン1個の値段は...などとはゆめゆめ考えてはいけない。あくまでも、作るのが目的で、食べるのはオマケぐらいに考えた方が長続きすると思う。

 

逆に、パン作りの難点は何かというと、これはやはり「時間がかかる」ということだろう。慣れれば手間はそれほどでもないが、短くて2時間、長ければ5時間程度かかり、冷蔵庫で発酵させるようなレシピでは2日にわたることもある。待ち時間が長いのだ。それでも、1日がかりのゴルフなどと比べれば短いし、待ち時間はテレビを見たり本を読んだりもできる。

 

ということで、世のお父さんたちの趣味として、パン作りはもっと広がってもいいと思うのだが。

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DIYソーラー発電の実力

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  ソーラー発電をDIYで設置してから2ヶ月が経過した。今は梅雨のまっただ中だ。実際のところどれだけの電力が発電で得られているのか確認してみた。グラフは、1日あたりの発電で得られた電力量(青線)とその日の日照時間(赤線)をプロットしたものだ。電力量は、チャージコントローラーから過去の実測値を取得した。PCに専用のソフトをインストールして、オプションのUSBケーブルで接続すると、リアルタイムの発電電力や過去の電力量の値を観察したりダウンロードしたりできる。日照時間は気象庁のWebサイトからダウンロードした。ただし、発電電力量の値が欠損している日が数日あり、それらのデータはグラフから除いている。

 5月中はほとんどの日で、発電電力量の値は100〜150Whで頭打ちになっている。5/18までは、発電した電力を使用するのはバルコニーに設置した27WのLEDライトを日没から5時間点灯するのみだったため、1日の使用電力量は27×5=135Wh程度だった。その後3Wの門灯2灯を追加して、135+(3×2×5)=165Whとなった。つまり、発電量と使用量がほぼ等しくなっていることが分かる。これは、発電によってバッテリーがフル充電状態になり、発電電力量が頭打ちになっていたためと考えられる。5/21のように日照時間が短くて発電電力量が少なかった日はフル充電状態に至らず、翌日の発電量が多くなっていると考えられる。このように、5月中は日没時点ではほぼ毎日バッテリーがフル充電状態であったと推測され、バッテリーのインジケーターもそれを示していた。

 6月に入って、300Wのインバーターを設置して100Vのコンセントを室内に引き込んで利用を始めた。11Wと7WのLED照明を購入してこの電源に接続して使用した。それに伴い、バルコニーの電灯は消灯した。27Wを消灯して11+7=18Wを点灯したので消費電力は増えないと見込んだが、点灯時間が5時間よりも長くなること、インバーターによるロスや待機電力の消費があること、梅雨に入って日照時間が短くなったこと、などの理由からバッテリーのフル充電状態が維持できなくなってきた。逆に言えば、発電された電力はすべてバッテリーに充電されるため、発電電力量がこの発電システムの能力を反映していると考えられる。発電電力量の最大値は約280Whであることから、これが発電能力の限界と思われる。ソーラー発電の場合、パネルのワット数×3時間程度が発電電力量の目安という情報もあり、100Wのパネルで280Whの発電電力量というのは、パネルが真南向きでないことを考えても妥当であろう。

 さて、結局この2ヶ月間で発電した電力量のトータルは、約8kW\hとなった。東京電力なら、第3段階料金でも1kWhあたり30円程度なので、8kWhは電気代に換算すると240円ほどになる。設備投資を電気代で賄うには数十年かかる計算だ。やはり、ソーラー発電のDIYは非常用電源あるいは趣味と割りきってやるのがいいと思う。

太陽光発電の電力で門灯をつける

 連休に太陽光パネルを設置したけれど、発電するだけでは意味がないので門灯をつけてみた。一つ3Wで、1ヶ月の電気代は15円とか。電気代で設備投資を回収しようと思うと200年近くかかる計算だ。やはりDIYで元をとるのは難しい。元々非常用のつもりなので、よしとしよう。

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バルコニーにソーラーパネルを設置する

 ゴールデンウィークの10連休は何も予定が無く、予てより検討していたソーラーパネル設置を実行することにした。ソーラーパネルと言っても、屋根いっぱいに敷き詰めて売電しようという訳ではなく、DIYでバルコニーにパネルを1枚置いてみようという話だ。原発などやめて再生可能エネルギーを推進すべきと個人的には思うし、隣家の屋根では沢山のパネルがギラギラと光を放っているけれど、自分で大金を投資するのは憚られる。調べてみると、DIYしている人がいるようだし、も出ている。趣味の範囲で、最低限の費用で設置することにした。発電した電力を、何にどう使えるかはよくわからないが、当面は停電のときにスマホが充電できればいいことにする。

 まず、主要な部品を調達しなければいけない。特に重要なのは、ソーラーパネル、充放電制御器(チャージコントローラー)、バッテリーだ。パネルは100W(JAsolar社AT-MA100A)を1枚にした。これより小さいとオモチャみたいなので、これが最低限だろう。スマホの充電には十分なはずだ。100Wなら充放電制御器は10Aで十分で、安いモノなら1500円ぐらいからある。でも、そのうちパネルをもう1枚追加するかもしれないので20A欲しいとか、発電した電力をムダ無く充電できるMPPT方式がいいとか、色々欲張って選んだのがSR-ML2420(20A)で、結構高くついた。バッテリーは、ACDelcoのM31MF にした。船舶のエンジン始動用で、密閉型のメンテナンスフリーバッテリーだ。

 あとは、バルコニーに設置する都合上、フェンスよりも上に出す必要があるため、アルミの角パイプやアングルなどで台を作った。木工と違って慣れないアルミ細工に苦労したが、なんとか思ったようなモノができて、パネルが日光を浴びるようになった。その他に、配線や端子、端子台、ヒューズなどを購入して配線し、無事に発電が始まった。

 バッテリーがいっぱいになってしまえば、それ以上は発電できないので、何かに使ってみる必要がある。12Vの電源なので、普通の電化製品は使えない。とりあえず、12V電源のLEDライトを買って、バルコニーを照らすように取り付けてみた。チャージコントローラーの機能で、日没から一定時間だけスイッチをオンにすることができるので、試しに毎日5時間ほどつけてみている。27Wのライトを5時間つける程度なら、太陽光発電でお釣りが来るらしく、夕方になるとバッテリー容量は100%に戻っているようだ。そのうちこの電力で門灯をつけてみようと思う。

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