このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

草むしりで考える

家を建てて14年になる。庭というほどの庭も無いので、外構にはお金をかけず、DIYで作った。玄関前の小さなスペースには、臨時の駐車スペースにもなるように2列に枕木を埋めた。その間に芝生を貼り、真ん中にレンガで丸く囲んだ花壇を作った。ほんの数平方メートルと言えど、芝生の手入れは手がかかる。除草剤を撒くのはいやだったので、やがて雑草が目立つようになり、たまに雑草ごと刈り揃えた。伸び放題よりはまだ見栄えがよい。

やがて、花壇に植えたアイビーが元気に伸び始めた。よほど居心地が良かったのか、レンガを超えて芝生の上にも伸び始めた。そのままにしていたら、溢れだしたアイビーの葉が、今では芝生の半分以上を覆うまでになった。一方、枕木の外側の細い部分の芝生はさらに雑草にヤラれていたので、一部を剥がしてワイヤープランツを植えてみた。これがまた植生が合ったらしく、細い地面を端から埋め尽くし始めた。結局、土地に合った植物の方が手入れの手間も少ないだろうということで、外側の芝生と雑草は全部剥がして、ワイヤープランツを挿し木した。いずれ、内側はアイビー、外側はワイヤープランツで埋め尽くされて安定することを期待しよう。

生い茂ったアイビーの葉の間からヒョロヒョロと伸びるツル系の草をところどころに見つけ、しばしむしった。むしりながら、人間はよく出来ていると改めて思った。アイビーと雑草、色や形がちょっと違うが葉っぱには違いない。人工知能(AI)技術が発達したとは言え、生い茂るアイビーの中から画像認識技術で雑草を見つけるのは容易ではないはず。さらに、雑草だけを摘んで抜き取るのは、ロボットにはまだまだ難しいだろう。このまま技術の進歩が続けば、人間と同じスピードで雑草を発見して抜き取るロボットを作ることはいずれ可能になるだろうが、我が家で購入できる価格で販売されることは無いだろう。結局、草むしりは自分でやるしかないということだ。

「雑草という草はない」と言った人がいるようだが確かにそうだ。アイビーを育てようとしているからそれ以外が「雑草」になっているだけだ。「雑草」と呼ばれる草にとってみれば、こんな理不尽なことはない。「助けてくれ!なんでアイツは良くてオレはダメなんだよ!」という声が聞こえてきそうだ。これが、農作物の畑だったら、「野菜を大きく育てるために仕方がないのだ」とかもっともらしい理由が言える。でもどっちも葉っぱの場合は、「アイツは好きだけどオマエは嫌いだから」という身も蓋もないことになってしまう。でもそうなのだからどうしようも無い。