このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

ライバルはホームベーカリー

 パンを焼き始めたのは、かれこれ20年以上前のことです。子供のころから、母を手伝ってケーキやクッキーを焼いたりするのが好きでした。結婚して子供が生まれた後、小さいながらオーブンもあったので、パンの手作りをはじめました。食パンばかり作って、朝食で食べました。山形食パンのてっぺんが、オーブンの天井にくっついてしまったりして、売り物みたいとはいきませんでしたが、それでも美味しくいただいていました。

 何年かして、知人の家でホームベーカリーのパンをごちそうになりました。自動でこんなパンが焼けるなんてすごい。我が家でも購入しました。夜、寝る前に材料を投入しておけば、朝には焼きたてのパンが食べられます。ホームベーカリーのパンは、クラスト(いわゆるパンの耳)は硬くて厚いものの、クラム(中の白い部分)はふわふわで美味しいです。正直なところ、自分で手捏ねして焼いたパンよりも、あきらかに一回り大きく膨らんでいます。

 人がやっていたことを機械で自動化しようと思えば、人がやるプロセスを忠実に真似させようと思うのが普通です。でも、ホームベーカリーは違います。手捏ねなら、強力粉や水、砂糖、塩などと一緒にイーストも混ぜて捏ね始めるのですが、イーストは入れずに捏ね始め、さらにねかせてからイーストを入れてまた捏ねるという工程になっています。開発者は、かなり試行錯誤したのではないかと思います。タイマー予約で指定の時間に焼き上げること、捏ね・ガス抜き・整形などはパンケースの底の羽根だけでやること、発酵から焼成までの温度管理はすべて生地をパンケースに入れたまま行うことなど、強い制約の中で美味しいパンを焼き上げる機械を開発した技術者には頭が下がります。我が家で購入したのは当時のナショナル製で、今はパナソニック製の2台目を愛用しています。

 その後しばらく、パンの手作りはやらなくなりました。苦労して捏ねなくても焼きたてのパンが食べられるのですから。でも、さらに何年かたって、少しずつまた手捏ねのパンを作り始めました。パンを作るのは、食べたいからという理由だけではなく、作るのが楽しいからだ、ということを思い出しました。オーブンの中でグングン窯伸びするパンを想像しながら一生懸命捏ねる工程が楽しいのです。ホームベーカリーで作れるのは、基本的に食パンですので、それ以外の形のパンをもっぱら作るようになりました。

 昨日は、久しぶりに山型食パンを焼いてみました。いつもよりも入念に、30分ほど捏ねて焼いた食パンは、まあ悪くない出来栄えです。今朝の朝食で、ちょうど半分を家族でいただきました。ホームベーカリーのパンとはまた違った食感で、これはこれで美味しいです。伸び具合ではまだかないませんが。

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