このごろ思うことなど

ふと思ったこと、思いついたこと、作ってみたものなどについて書いています。

草をむしると庭はきれいになるか?

 庭、というにはいささか小さい玄関前のスペースですが、それでも土の見えているところには、どんどん雑草が生えてきます。小学生だった息子に草むしりを手伝わせようと声をかけました。案の定、否定的な返事が返ってきました。
 そのとき、自分が小さいころ、同じように父親に草むしりを手伝わされたことを、ふと思い出しました。草むしりが終わった後、「ああ、きれいになった」と父が言いました。それを聞いた私は、「いったい何がきれいなの?」と、確かにそう思ったのでした。なぜ、この草(雑草)は抜けと言い、あの草(育てている草花)は抜くなと言うのか、本気で分かりませんでした。どちらも植物なのだから、生やしておけばいいのではないかと。つまり、当時の私にとっては、草むしりという労働は、何の価値も生まない無意味なものに映りました。当然ですが、やる気などまったく起きませんでした。
 試しに、息子に「草むしりしたら庭がきれいになると思う?」と聞いてみると、「思わない」との答え。やっぱり。大人の私は、いつからか「ああ、きれいになった」と感じるようになりましたが、子供にとっては「草をむしったらきれいになる」は、必ずしも当たり前のことではないのです。そう考えると、草むしりをやりたがらないからといって、「怠け者」と決め付けるわけにはいかないような気がするのです。